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米Googleが超高度無人航空機ベンチャー米Titan Aerospaceを買収

 米Googleは14日、大気圏内の超高高度を長時間飛行できる無人航空機(ドローン)開発ベンチャー企業、米Titan Aerospaceを買収したことが明らかになった。買収金額等の詳細については明らかにされていないが、Googleスポークスパーソンはこれを確認した。

 Titan AerospaceもWebサイトを更新し、Googleに買収されたことを認めている。

Titan Aerospaceサイトのトップページ

 Googleのスポークスパーソンはこの買収について「Titan AerospaceおよびGoogleは、世界を改善するために技術が持つ可能性についての展望を共有している。まだ初期段階とはいえ、大気圏内衛星は何百万人もの人々にインターネット接続を提供するだけでなく、災害救援や森林伐採などの環境破壊など他の問題を解決するのに役立つ可能性がある。それこそがGoogleファミリーにTitan Aerospaceを迎えることに興奮している理由だ」とコメントした。Titan Aerospaceもほぼ同様のコメントを発表している。

 Titan Aerospaceが開発しているのは、大気圏内の高度約20kmといった超高高度を長時間飛行する無人航空機(ドローン)だ。開発中の「Solara50」は同社サイトによれば重量159kg、時速104km/h、最大積載量32kg、全長15.5m、最大滞空可能時間5年、最大飛行可能距離450万kmだとしている。電源は、長い翼や機体に張られた太陽電池から給電する。

 発表によれば、この機体は開発段階にあり、デモフライトは行っているが、商業営業開始は2015年としていた。現在これらの情報はWebサイトからはアクセスできなくなっている。

 Googleのコメントを見ると、過疎地域での高速インターネット接続提供以外にも、ほぼリアルタイムの地図情報収集や様々な気象、環境モニタリング用途に用いることを検討しているのではないかと推測される。

 Googleは別プロジェクトとして、大気圏内に漂う飛行船を大気の流れに沿って飛行させ、過疎地域にインターネット接続を提供する「Project Loon」や、上空の大気エネルギーを発電に利用するプロジェクト「Meraki」なども行っている。

 Titan Aerospaceについては、かつて米Facebookが買収するとの一部報道があったが、報道後にFacebookは別の高高度長滞空時間無人航空機を開発する英国のベンチャー企業Ascentaを買収した経緯がある。

(青木 大我 taiga@scientist.com)