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ニフティ、温泉でIoTを活用、人の動きをリアルタイムに可視化する実証実験

 ニフティ株式会社は18日から、IoTを活用して、温泉施設の混雑状況とスタッフの配置をリアルタイムに可視化する実証実験を開始した。実証実験は、埼玉県北葛飾郡杉戸町の「杉戸天然温泉 雅楽の湯」において、9月20日まで約半年間続けられる予定。

 実験では、カメラを2つ搭載することで人を立体的にとらえ、人数や人の動きなどを検出可能なステレオカメラを脱衣所入口や休憩所、食事処など、施設内の主要箇所に設置し、場所ごとの利用人数をリアルタイムでカウントして施設内の混雑状況を確認する。

 さらに、近距離通信を利用して一定距離内にあるスマートフォンなどの端末に電波を発信するビーコンを施設スタッフが装着し、これを検出することで配置状況を可視化する。

 今回、年間30万人以上が訪れる「雅楽の湯」において、ステレオカメラとビーコンを活用した実験を行うことで、機器の反応精度やリアルタイムでのモニタリングの有用性を検証するとのこと。

 なお、実証実験では、顔など個人が識別できる情報は取得せず、人数カウントに必要なデータのみ利用するほか、浴室にはカメラを設置しないなど、プライバシーにも配慮がなされる。

実証実験の概要

 検証システムは、クチコミを中心とした温泉・温浴施設情報専門サイト「@nifty温泉」と、デバイスのIoT化を目指す企業を支援するサービス「ニフティIoTデザインセンター」が企画・構築しているという。

 温泉・温浴施設の混雑状況とスタッフの配置状況をリアルタイムで確認することで、今後ニフティでは、施設内のヒートマップ提供サービスや、混雑状況に応じたスタッフの配置支援システムなど、温浴施設とのネットワークやサービス運営ノウハウ、IoTに関する知見を活用したサービスの展開を検討するという。

スタッフ配置状況のモニタリング画面

(岩崎 宰守)